水掛け論

 トラブルの歴史は人間関係そのものの歴史です。
初めは気にとめず小さなゴタゴタで直ぐに解決すると思っていた。しかし,気持ちとは逆に問題が大きくなってきて,考えもしなかった不愉快で不安な気持ちを抱える事になってしまった。

 すると,日常生活や仕事にも影響が現れ生活のリズムも乱れ,その心配ごとが絶えず頭から離れず,身体も心も疲労困憊(こんぱい)してしまう。

 
今まで,トラブルの解決に誠意を示し対応してきた。しかし,考え方や価値観が大きく異なり,人の話を聞き流し自己主張だけを押し付け会話は噛み合わず水掛け論になってしまう。


証拠の提出条件

 日頃から信頼していて助言が得られる仲間,知人,先輩らを訪ねてアドバイスを受けたが解決の道筋が見えない。

  さらに,公(おおやけ)の相談場所(国民生活センター,労働基準監督署,暮らしの窓口,法律相談,法務事務所)など訊ねたが良い案が見つからない。


 そこで,最後の拠(よ)りどころとして法的な解決しかないと一大決心し裁判所に足を運ぶことになる。

 第三者の裁定を受ける裁判と選択したとき,怒りの気持ち,悔しい思い,だけを述べるだけでは自分が思い描いた結果や裁定を得ることはできない。

 裁判と心に決めたら相手方とは直接面談や会話は慎む。

  • 言った!言わない!

  • 聞いた!聞かない!

  • 書いた!書かない!

  • 出した!受けていない!

 などと,結局,口角泡を飛ばす(こうかくあわをとばす)言い合いで嚙み合わず行きつくところ水掛け論になってしまう。

 過去,当職の叔父(元東京裁所判事)に,水掛け論は裁判で解決できますか?と尋ねたら, 答えは「裁判所に訴えてくる人々は問題点,争点,論点,事案,が一件一件事柄や事情が違う。」 最も大事なことは,論(ろん)は後,証拠が先「弁舌多く言葉や書類で説明を重ねるよりも,たった一つの証拠が目の前に示されれば直ちに勝敗は理解できる。」と,全て証拠,証拠なのだと教えられた。


証拠とは

  • 自分ではなく,他人が事実だと発言した言質,証言,供述

  • 人を除く物的証拠

  • 事実が存在するかしないを示す直接証拠

  • 物を間にしお行われた間接的に要証事実の証明に役に立つ間接証拠

  • 裁判官,検察官の尋問に事実と答えた人の供述を内容とする供述証拠

  • 人が話した内容の非供述証拠などなど,


 さらに,「裁判では事案,事件の白か黒かを決めるのではなく,黒か黒ではないかを見極めて黒でないとした事案や事件が如何にグレーに近い黒としても判断はとても難しい。」

 だから,「真実を証明する質と価値の高い証拠が最も重要なのだ。」と価値の高い証拠を示すことの重要性を知らされた。



有形力,無形力

 有形無形力証拠の反訳では,会話と同時に「物や机を叩く,物を投げ飛ばす,身近な物を蹴とばす,身体に危害を加える。暴言,脅迫)など,有形無形の力が認められる録音,録画情報を精密に反訳します。

 昔のカセット,ビデオテープレコーダー,近年のICレコーダー,ボイスレコーダー,ドライブレコーダー,携帯端末,固定電話,監視ビデオ,などには証拠価値の高い情報が記録されています。

 年月日,誰と誰れが,何を,何した。さらに環境情報(テレビ,ラジオ,緊急車両,航空機の通過音,防災行政無線放送,店舗,車内,社内放送)として,証拠日時が裏付ける背景音情報も豊富に含まれているのです。


 裁判反訳では複数の反訳士が慎重で正確に確認しながら公用・行政用語法に準じて証拠資料の反訳書を作成します。




匿名化

 激しく衝突している裁判で証拠として法廷に提出した資料は裁判終結5年経過後に,判決,和解調書以外の廃棄されます。しかし,期間内で有ればいつでも誰でも閲覧申請書と収入印紙,身分証明,印鑑の用意があれば閲覧可能なのです。

匿名化校正用反訳書証拠の録音音声を反訳した時,裁判の当事者以外の個人,プライバシーの 氏名, 生年月日, 属名, 学名, 住所, 電話番号, メールアドレス, 会社名, 職位, 通称, 雅号,社名, 屋号, 芸名, 入所,入院,看護,検査記録や音声の背景に聞こえるプライバシー情報で識別されますと,場合によっては名誉毀損,業務妨害などの抵触を考慮し,匿名化も無視できないことなのです。 






証拠の情報量

 普通の人が話す会話速度と情報量は1秒間に約6~7の漢字交じりの文字が音声反訳されます。穏(おだ)やかな口調では,1秒間5文字以下ですが,会話者が激昂(げきこう)した場合は1秒間9~10の漢字交じりの文字が反訳されます。
 さらに,複数の人で,会話をさえぎる場面ですと,1秒間10~14が文字が反訳,録音時間で比較しますと証拠情報量の多さが確認できます。


録音音声 文字数 頁数 行数
15分 16,500 29頁 700行
30分 33,800 58頁 1,420行
45分 51,750 121頁 2168行
60分 68,500 158頁 2827行
1時間15分 83,200 189頁 3420行
1時間30分 79,750 227頁 4072行
1時間45分 113,600 260頁 4671行
2時間 128,500 293頁 5285行
2時間30分 159,000 367頁 6518行
3時間 200,800 458 8,158行

 



人の記憶と校正

 人の記憶能力は驚く程短くわずか数秒なのです。
実際にテレビ,ラジオから聞こえる話し声をメモしてみると実感でます。その会話を文字に起こすと5~7字程度はず。 又,数字の桁数では7~8桁程度が人の短時間記憶能力なのです。

 したがって裁判反訳の専門職である反訳士でも,聞き違い,漢字の誤訳が生じます。
ですから,反訳依頼者と共に複数の反訳士が校正し完成させるのが裁判で良い結果を得る秘訣なのです。
特に,地名・業界用語,土地言葉,方言,田舎なまり,地域の言葉,俗語は当事者だけが判断できる貴重な証拠情報内容なのです。


※反訳書の校正で氏名の例,

  録音音声では   反訳士が文字起こし 正解(依頼者による校正の結果)
そうけ 宗家 笽さん
あくつ 阿久津 圷さん
いり イリ 杁さん




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